おすすめ度
★★★☆☆(3.6)
役に立たない、面白雑学が好きな人にはオススメ。
好きそうな人・苦手そうな人
・雑学が好きな人
・バカバカしい内容も楽しめる人
・何も考えずに気分転換がしたい人
・役に立たない知識はいらない人
・真面目な内容を読みたい人
あらすじ
「タランチュラに噛まれたら!?」「悪の組織に本籍を知られてしまった!」「丑の時参りで呪い殺されそう!?」「アソコが立ったままおさまらない!?」「クジラに飲み込まれてしまった!」「隕石が衝突した!」「オスゴリラと同棲することになった!?」「戦車の運転を任された!」「太陽が膨張! 地球が滅亡する!?」など、生活を脅かすピンチから、地球滅亡のような極限状況まで、色々なシチュエーションを乗り切る秘策が満載!!

(本書背表紙より)
作品情報
ページ数:205ページ
編著:危機回避マニュアル研究会
ジャンル:その他(雑学)
出版社:TO文庫
感想
もし、あなたが青酸カリを飲んでしまったらどうしますか?
猛毒の代名詞として名高い青酸カリですが、亜硝酸アミルの吸入やチオ硫酸ナトリウムの注射、といった方法で治療は可能です。
原理を簡単に言えば、体の中で毒が悪さをする前に、毒とより結合しやすいものを入れて、
毒が効力を発揮する前に別の物質に変えてしまう、という感じです。
乱暴な言い方をすれば、塩酸と水酸化ナトリウムは混ぜれば食塩になるから無害になる、という感じでしょうか。
とはいえ、量次第では摂取から数分程度で死に至るようですので、気づいたときは吐くことが最初にやるべきことでしょう。

さて、本書「テストに出ない 危機回避マニュアル」では、こんな真面目な内容が書いてあるわけではありません。
紹介されている内容は完全に雑学、ネタに走ったもので、現実にはほとんど役に立たないでしょう。
ですので、地震や水害、山火事などの災害や、事件事故に巻き込まれた際の対処法などを期待して読んではいけません。
ですが、そこが本書の最大の魅力でもあります。
いかにバカらしい内容であっても、ツッコミを入れながら楽しめる人向きです。
また、雑学的な意味では面白いものが多いので、話のネタとして知っていても損はないと思います。
内容はかなり幅広く、科学的な根拠のあるものから、文化や歴史を背景にしたものまで様々です。
例えば、
魔女狩りの際、魔女と疑われないためには?(p46)
ティラノサウルスに遭遇してしまったら?(p98)
メジャーな妖怪に襲われたら?(p104)
森の中で熊に遭遇し、襲われたら?(p106)
もしもスナイパーに狙われたら?(p186) etc

あらすじと合わせて、例に挙げた内容に興味を持てる人、笑って許せる人には非常におすすめです。
逆に、「下らない」「つまらない」と感じる場合には、向かないと思います。
各「危機」に遭遇するシチュエーションがひとつずつ作られており、雰囲気作りに一役買っています。
ただ雑学的な解説をするだけでなく、内容に引き込む工夫がされているところも、本書の面白い部分ですね。
基本的には暇潰しのような側面が強いため、読んでためになる可能性は低いですが、娯楽目的であれば、良書と言えるでしょう。
雑学が好きな人、気楽に本を読みたい人、気分転換がしたい人におすすめです。
では、あなたが良い本との出会いに恵まれますように。
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