【映画】【大喜利に向いたホラー】「事故物件 恐い間取り(映画)」【監督:中田秀夫、主演:亀梨和也】

映画
Image by Klaus Hausmann from Pixabay

おすすめ度

 ★★☆☆☆(2.5)

  恐がりたくない人のホラー入門に。

好きそうな人・苦手そうな人

好きそうな人

・ツッコミをしながら映画を見たい人

・C~B級映画が好きな人

苦手そうな人

・ホラーが好きな人

・恐がることを目的にした人

・質の高い映画が見たい人

あらすじ

TV番組への出演を条件に、「事故物件」で暮らすことになった芸人の山野ヤマメ(亀梨和也)。その部屋で撮影した映像には白い“何か”が映っていた…。

番組は盛り上がり、ネタ欲しさに事故物件を転々とするヤマメ。しかし人気者になっていく一方、次々と怪奇現象に巻き込まれていく。

そしてある事故物件で、ヤマメの想像を絶する恐怖が待っていた――。

(C)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会

作品情報

監督:中田秀夫

主演:亀梨和也

ジャンル:ホラー

時間:1時間51分

備考:書籍「恐い間取り」の映画化作品

【そこには「あなただけ」ですか?】「恐い間取り」【松原タニシ】
本書は事故物件に住んだ実体験や、知人からの体験談を集めた実話ホラー短編集です。映画化もされた作品で、亀梨和也氏が主演しています。 家が安心できる場所ではなかったら、自分の知らない「何か」の居場所でもあったら……。 短時間でじんわりと怖がりたい人にオススメです。

紹介・感想

紹介

本作は書籍「恐い間取り」(松原タニシ)を原作に映画化した作品です。

監督は「リング」で有名な中田秀夫氏。

主演はアイドルとして有名な亀梨和也氏(山野ヤマメ)です。

売れない芸人「山野ヤマメ」は相方にコンビの解散を切り出され、途方にくれます。

そんな中、テレビ出演を条件に事故物件に住むこととなり……、という内容。

基本的には、原作の「恐い間取り」に忠実です。

1軒目、2軒目……というように物件を渡り歩く中での出来事が描かれます。

原作との違いは下記の通りです。

・ストーリー性の有無

・映画では描かれていない内容もある

・怖がらせ方は映画の方が直接的

・映画はしっかり幽霊が現れる(原作ではビデオに映っているのみ)

忠実に作られている部類ではないかと思います。

映画のレビューサイトでは低評価が多く、もはやコメディとまで書かれていたり。

世間的にはイマイチな評価です。

感想

映画の感想ではありますが、私は演技や演出については詳しくありません。

ですので、主にストーリーや構成に絞って感想を書いていきます。

以下は終盤に関するネタバレも含みますので、ご注意下さい。

(個人的にはオチを知って見ても評価は変わらないと思います)

終わり方がイマイチな評価の原因といっていい映画です。

本作のような終わらせ方で納得できる人は、そういないでしょう。

セリフが説明的、描写・演出がチープ、その他いろいろな意見があります。

ですが、この作品は終わり方さえうまくまとまっていれば、もう少し好意的に見られたはず。

というのも、本作は物語を作るうえでの地雷の1つをもろに踏んでしまっています。

それは「ジャンルがぶれる」ことです。

終盤まではホラーらしい進行で、事故物件を渡り歩きます。

不気味な現象が起きたり、霊感のあるヒロインが怖い目にあったり。

Image by Sarah Richter from Pixabay

そして、事故物件を渡り歩く中で、「死神」のような超常的な黒幕が近づいてくる様子が描かれます。

映像に栄えるからなのか、びっくり系の演出が多いですが、ある程度は仕方ないと思います。

ですが、ジャンルが終盤に「ホラー」→「アクション」に変えるのは、さすがにダメです。

黒幕に襲われているところに仲間が登場、御神酒や線香と呪文で撃退。

いつの間にジャンプ漫画に変わったのかと思いました。

最初から二つの要素を含んでいれば問題ないと思います。

例えば、映画「バイオハザード」のようにアクション・ホラーが両立している場合ですね。

ですが、今作は終盤に一切の伏線がないまま、バトルに突入します。

例えるなら、映画「エイリアン」で、終盤にエイリアンと心が通じてペットにするようなものです。

Photo by Yerlin Matu on Unsplash

意外性のある終わり方、というのは物語を面白くする重要な要素です。

ただし、それは基本的に読者(鑑賞者)の期待に沿ったものです。

探偵が犯人を見つける道のりや、犯人の立ち回りの意外性を期待するわけです。

いくら意外性があっても、探偵が犯人を特定できずに終わってしまう、なんて求められてないですよね。

私はホラーを「嫌な気分になる」ジャンルと考えています。

最終的にはハッピーエンドでも、その過程が痛みを伴うものだったり、トラウマを残したり。

本作も、割り切ってバッドエンドにしてしまってよかったのではないか、と思います。

主人公は死んで、ヒロインだけ生き残る。そしてヒロインにも魔の手が……。みたいな感じですね。

創作活動をしている人は、是非意識してみてください。

プロが作っても、ジャンルがぶれると悲惨な結果を迎えるというのは、この映画が教えてくれます。

ただ、逆説的になりますが「ツッコミどころが多い」というのはいい点です。

数人で鑑賞会をやって大喜利をする、そんな見方をするのもいいかもしれません。

ホラーが苦手な人も大喜利をしながらなら、見られると思います。

Amazon prime、Netfrix等のサービスで、暇潰しに見てはいかがでしょうか。

それでは、あなたが素敵な作品との出会いに恵まれますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました